彩芽
大切なものを失った時、自分まで見失わずにいられるかどうか。
嵐が過ぎ去った後、そこに残るものは何か。
ぽっかり空いた心のどこかで、確かにそこに在った輝きは揺らめき、また次に歩き出す、その足元を照らしますように。
ひとりで歌い始めたこの曲に、素晴らしいバンドの空間やアイディアが散りばめられ、この曲ならではの孤立と共存が成立しました。
dive
自分の心に正直に。正直に?
何度も問いかけてくるその声から耳を背けたくなるけれど、聞こえてしまった。
けれどそこには何の保証なく、自分を幸せにも、あるいは泣かす事もできるかもしれません。
だからどうぞ、お気をつけて、怪我しないで。けれど、見てきてほしい。
鋭いストリングスに痺れながら、攻めの気持ちで歌い上げました。
空く
惹かれるという現象からの、逃避。
臆病なんですね、恋することに、きっと。
傘をさすほどでもない雨、まだちゃんと傷ついてもいない心。
いつかの記憶で満ち足りている、湖に浮かぶヨットに乗って、静かなまま。
心の中でひっそりと始まり終わる、霧のような楽曲になりました。
温度を低めに、けれど深い情熱を込めて、皆で演奏しました。
白い月
いつか私のいない世界で、もしもあなたが泣いていたとしたら。
私はどこにいても傍にいて、あなたの中で生き続けることができる、その想いを願いと決意に変えて、言葉を綴り始めました。
大きな空が二人を包み込んでくれるような音像の中、迷いのないまっすぐな歌を閉じ込めました。いつかの空に、届きますように。
noise
とてもエネルギッシュで、なんだか雑で、もう忘れてもいいと思っていた10代のような曲。けれど何かを突き動かすには、あの頃のような反抗心は、必要だったのかもしれません。
もしもう一度人生を繰り返すならば、もっと穏やかに、もっと良い子で過ごしたいけれど、やはり私は繰り返すんでしょう、「No」を。
アルバムの中で最もロックな楽曲に仕上がりました。
リモートで届いたチェロの演奏に、皆で唸りました。
春に吹く
美しさとは、きっと意識とは離れているところで起きる現象で。
その輝く瞬間を捉えたいと、どうしても時々こういう桜のような曲を追いかけたくなります。純粋なものへの永遠の憧れを、好きなメロディーが浮かんだので、ここに綴ります。
バンドメンバーの圧倒的なサポートで、私は自由に風に乗って歌うことができました。
力の抜けた、春がよく似合う一曲に仕上がりました。こっそり気に入っています。
tamari
あなたの幸せを、心から願って。
ただ、それだけの曲で、それが今の全てです。
